W3CがすすめているHTML5の仕様策定ですが、昨年の12月17日に
HTML5と、Canvas 2D Contextが勧告候補になりました。

ところで「勧告」ってよく聞きますけど、なんなんだろって思って
少し調べました。

そもそも勧告という日本語は、辞書によると、
「ある行動をするように説き勧めること」
とあります。



W3CはHTMLの仕様を作る上で、以下の5つの手順をすすんでいきます。


① 草案(working draft ワーキングドラフト)
② 最終草案(Last call working draft ラストコール)
③ 勧告候補(Candedate Recommendation キャンディデイトレコメンデーション)
④ 勧告案(Proposed Recommendation プロポーズドレコメンデーション)
⑤ 勧告(Recommendation レコメンデーション)

ニュース記事やブログなどで、英語で書いてある場合やカタカナ語で書いてある場合もあるので、ついでに書いておきました。


① 草案(working draft ワーキングドラフト)

ワーキンググループがまず最初に起草、つまり仕様案を作るってことですね。
ディレクターと呼ばれる人が承認すると、草案が公開されます。

現在のディレクターはGoogleのIan Hicksonさん。通称ヒクシーさん。

この草案は3ヶ月に最低1度は更新していくっていうルールがあるようです。



② 最終草案(Last call working draft ラストコール)

草案を公開すると、いろんな人からレビューが集まってきたり、反論がきたりします。
それらが充分にたくさん集まって、そしてちゃんと検討されつくしたことがわかり、
他のワーキンググループが作っている仕様との依存関係もクリアすると、
最終草案として発表されます。
HTML5は2011年5月に最終草案をアナウンスしました。


③ 勧告候補(Candedate Recommendation キャンディデイトレコメンデーション)

最終草案となると、他のワーキンググループやW3Cからのレビューを受けます。
それが済んで仕様が確定すると、勧告候補になります。

ここまでくると、実装を呼びかける段階です。

中の人たちは、これでOKだろーと自信をもっている段階ですので、
「みんな使ってみてー」と呼びかけます。

開発者たちは実際に使ってみて、なにか意見があれば、伝えることができます。


④ 勧告案(Proposed Recommendation プロポーズドレコメンデーション)

実装者からのレビューも済ませて、さぁいよいよ準備ができましたよってことで、
W3Cの詰問委員会(なんすかこれは怖そうだな)から最終チェックを受けます。


⑤ 勧告(Recommendation レコメンデーション)

理論面でもOK!実用面でもOK!ということで、W3Cが正式にHTML5できました!とおすみつきを与えます。HTML5は2014年中の勧告を目指しています。

しかし、流れでもわかるように、勧告の前段階、すでに勧告候補の時点で、僕たちにはすでに使ってみることを勧められています。

ブラウザも当然対応してきますので、勧告までHTML5を使うのを待つっていうのは遅くて、むしろ、ほぼ仕様の策定した勧告候補の現時点で、どんどん使って行っていいと思いますな。